本文へスキップします。
English
NEDOからの委託事業で、(独)産業技術総合研究所と共同で揮発性有機化合物(VOC)の簡易検知器(図3)の客観的評価法の確立に向けて調査研究並びに国際標準化提案を行った。
揮発性有機化合物(VOC)検知器の評価方法の標準化を行うに当たり、当センターはテストガスの評価と国内委員会活 動を担当した。市販の検知器を用いて行う検証実験のデータから、より合理的なテストガスの決定を図るために、検証実験で使用するテストガス(複数成分のVOC混合ガス)について、分析装置を用い精密な分析を行った。2009年度は、31種混合ガス、6種混合ガス、2種混合ガスという3つのタイプのガスについて分析を行った。 また、国内委員会活動として、この評価方法をISO/TC146/SC6※へ国際規格として提案するため、同SCの国内委員会(事務局:建材試験センター)の下に検討委員会を設置して、メーカー及びユーザーと共に規格原案作成に向けた審議を行い、規格原案の素案の作成を開始した。なお、2009年10月に開催されたISO/TC146/SC6の国際会議の際に各国の関係者に規格の概要説明を行い、その後行われたISO新規業務項目提案に対する投票の結果採択されたところである。 ※ISO/TC146 Air quality/SC6 Indoor air
本年度は、昨年度の成果を受けて引き続きテストガスの評 価と国際規格原案の作成を行うことが計画されている。
(株)三菱総合研究所からの委託事業で、石綿含有建材等からの繊維状粒子飛散の測定方法の標準化の検討を行った。
建築物に施工されたアスベスト含有建材等は、劣化因子が長期間にわたって作用することにより徐々に劣化していく。 経年劣化に伴い劣化したアスベスト含有建材等の表面から繊維状粒子が飛散すると考えられるが、その測定方法が標準化されていないため、相互比較可能な測定データの蓄積が不充分な状況にある。
このため、2008年度から継続して、試験室におけるエアエロージョン試験と相関の得られるような現場対応型エアエロージョン試験装置(風圧粉じん発生装置)の開発を行った。開発にあたっては、同じロットで作製したロックウール試験体を用いて、2試験機関の試験室でのエアエロージョン測定結果と、開発装置での測定結果をラウンドロビン試験により検証し、一定の整合性が認められることを確認した。次に、石綿含有建材等を施工した現場において試行実験を行った(写真1)。
この結果を踏まえて、当センター内に設置した原案作成委員会にて審議を重ね、アスベスト含有建材等(建築物に施工されている状態を含む)に一定条件下で風圧を与えて、それに伴って飛散する繊維状粒子を測定する方法について規定した「風圧によりアスベスト含有建材等から飛散する繊維状粒子測定方法」の標準仕様書(TS)案を作成した。この標準仕様書(TS)案に規定された方法で、劣化したアスベスト含有建材等から飛散する繊維状粒子に関して測定を実施し、その測定データを蓄積することによって、アスベスト含有建材等の劣化状態をより合理的に判定できると考えられる。
以上、2009年度に委託を受けて実施した6件の調査研究について、その成果概要を報告した。 当センターでは、官公庁からの委託による調査研究のみならず、民間企業・団体の方々と連携し、企業・団体のニーズ に対応した試験・評価方法を開発することで第三者試験機関として社会貢献を果たしていきたいと考えている。
調査研究、個別団体規格・基準の作成などに関するご相談・お問合せ先は下記までお願いします。
>>> 1ページ目
>>> 2ページ目
→ PDFファイル