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2010年度調査研究事業報告

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当センターでは、官公庁や民間企業・団体などからの依頼を受け、政策の普及促進や国内外標準化活動、技術開発を支援する試験・評価方法の開発等を目的とした調査研究を実施しています。
調査研究の課題は時々の社会ニーズに沿ったものが多く、近年では住宅・建築物の長期使用、資源の有効活用、地球温暖化対策、居住環境の安全・安心といった課題が中心になっており、試験・評価方法の開発を進めています。
ここでは、2010年度に委託を受けて実施した5件の調査研究について、その成果概要を報告します。

1.窯業系サイディングの長期耐久性評価手法に関するJIS開発

(1)概要

(株)三菱総合研究所からの委託事業で、窯業系サイディングを対象に、従来よりも長期間の耐久性を予測するための評価手法に関するJIS開発を行った。  

(2)2010年度の成果

初年度(2009年度)までの2年間で実施した住宅用外装材に対する個別の劣化因子についての分析、これまでの外装材の耐久性評価手法の検討案に基づき日本国内で需要が高い窯業系サイディングについて、より長期的な耐久性の評価を可能とする予測評価手法の確立、長期耐久性に関する試験方法の標準化原案の作成を行った。
調査研究内容は、提案する長期耐久性評価のための具体的な促進試験方法(案)について、検証実験を行うとともに、日本窯業外装材協会において窯業系サイディングに関するこれら提案試験方法の再現性についても共通実験を実施した。これらの検討結果、ならびに劣化メカニズムの理論的検討を行い、具体的な促進試験方法(案)について標準化原案を作成し提案した。当センター及び日本窯業外装材協会で実施した実験内容等については、当センター内に設置した委員会(本委員会及び試験方法WG)において審議され、成果報告書として取りまとめた。  

(3)今後の展開

2010年度までの成果を受けて、本年度以降、JIS A 5422(窯業系サイディング)のJIS改正原案作成委員会が日本窯業外装材協会に設置される予定である。長期耐久性に関する評価基準ならびに試験方法(案)に関する積極的な審議が進められ、標準化されることを期待している。

2.コンクリート用溶融スラグ骨材の試験方法等に関するJIS開発

(1)概要

(株)三菱総合研究所からの委託事業で、溶融スラグ骨材を用いたコンクリートにおいてポップアウトが発生する場合に、それを事前に確認するための具体的な試験方法(案)についての実験研究を行い、標準化原案の作成を行った。

(2)2010年度の成果

溶融スラグ骨材を生産する際に、処理対象物に石灰質分を多く含む貝類あるいは炉内の塩基度調整のために使用する石灰石が充分に溶融されず溶融スラグ骨材とともにコンクリートに混入するとポップアウトを発生する可能性がある。そのため、コンクリート用溶融スラグ骨材に含まれる生石灰(CaO)に起因するポップアウトを予め確認するための試験方法(案)について2009年度より2年間にわたり実験検討を行った。また、2010年度は、溶融スラグ製造工場の調査見学も実施した。これらの調査研究に基づき、溶融スラグ骨材のモルタルおよびコンクリートによるポップアウト確認試験方法(案)ならびに溶融スラグ骨材に含まれる可溶性Caの測定方法(案)を作成し提案した。これらの実験検討結果については、当センター内に設置した委員会(本委員会及び試験方法検討WG)において審議され、成果報告書として取りまとめた。

(3)今後の取組み

本年度は、2年間の成果報告書をもとに、2011年9月にコンクリート用溶融スラグ骨材の試験方法等の標準化に関するシンポジウムを開催する予定である。シンポジウムにおいて広く成果を周知するとともに、各種試験方法(案)等に対する外部からの意見を集約し、次年度以降のJIS A 5031改正原案作成委員会にて、これらの試験方法に関する標準化の審議に臨みたいと考える。

3.革新的ノンフロン系断熱材及び断熱性能測定技術の実用性評価

(1)概要


NEDOからの委託事業で、NEDOで実施中の「革新的ノンフロン系断熱材開発プロジェクト」(2007年度~2011年度)において開発される断熱材及び断熱性能測定技術(機器)の実用性を評価するための評価方法ガイドラインを作成した。

(2)2010年度の成果

2009年度までに開発した評価方法を当センターのウェブサイト上にて公開し、同方法の使用感に係る調査を行った。調査を基に、評価方法の見直しを実施し、一部のツールを改良した(長期断熱性能簡易予測ツールを断熱材の設置条件に応じて、予測が可能なものとした)。また、本研究において開発した評価方法について、4年間に実施した審議等の内容を成果報告書として取りまとめた。開発した評価方法のうち、長期断熱性能簡易予測ツールの入力画面を示す(図1)。

pic1.JPG

図1 長期断熱性能簡易予測ツールの入力画面

(3)今後の計画

これまでに開発した評価方法を当センターのウェブサイト上で公開し断熱材及び断熱性能測定機器の評価手法の一つとして一般に活用できるよう広報活動を行う予定である。



4.建築用発泡プラスチック系断熱材の熱抵抗の長期変化の測定方法に関する標準化

(1)概要

NEDO委託事業の一環で東京都市大学と共同で、断熱材の製造者、使用者・消費者の間で、発泡プラスチック系断熱材の長期断熱性能を統一的な方法で測定・評価、性能表示することを可能にすることを目的に、昨年度までの成果及び課題を踏まえて「建築用発泡プラスチック系断熱材の熱抵抗の長期変化の測定方法」の研究開発を行い、JIS原案を作成した。

(2)2010年度の成果

これまでの研究から、発泡プラスチック系断熱材は時間の経過に伴って断熱材中の発泡ガスが放散することより、断熱性能が低下することが指摘されており(図2)、統一的な方法で測定・評価、性能表示が求められている。昨年度は、発泡プラスチック系断熱材の被覆層の発泡ガス放散抑制効果(断熱性能の経年変化を軽減する効果)を評価する方法を検討し、評価方法の妥当性を検証するため、熱伝導率の経時変化を測定した。これらの研究結果からISO 11561をもとに被覆層の発泡ガス放散抑制効果の評価方法を組み込んだJIS原案「発泡プラスチック系断熱材の熱抵抗の長期変化促進試験方法」を作成した。JIS原案作成にあたっては、当センターに有識者、行政等中立者、使用者、生産者等で構成する委員会を設置し、広く意見を募りJIS原案に反映させた。

pic2.bmp

図2 経過時間と熱伝導率の関係

「断熱材の長期断熱性能評価に関する標準化調査成果報告書」、20083月、NEDO

 

(3)今後の展開

作成したJIS原案を経済産業省に提案し、JIS制定に向けた作業を進めている。

5.揮発性有機化合物検知器の評価法に関する標準化

(1)概要

NEDOからの委託事業で、(株)ガステック及び(独)産業技術総合研究所と共同で揮発性有機化合物(VOC)の簡易検知器(図3)の客観的評価法の確立に向けて国際規格原案の審議を行った。

pic3.JPG

図3 対象となるVOC検知器の例


(2)2010年度の成果

揮発性有機化合物(VOC)検知器の評価方法の標準化を行うにあたり、当センターは国内委員会活動を担当した。国内委員会活動として、この評価方法をISO/TC146(Air quality:大気の質)/SC6(Indoor air:室内空気)へ国際規格として提案するため、同SCの国内委員会(事務局:建材試験センター)の下に検討委員会を設置して、メーカー及びユーザーと共に規格原案作成に向けた審議を行い、国際規格原案を作成した。なお、2010年9月に開催されたISO/TC146/SC6国際会議において、関係者に規格(作業原案)の説明がなされ、規格に対する審議がなされた。

(3)2011年度の計画

本年度は、昨年度までの成果を受けて、引き続き国際規格原案の作成及び審議を行うことが計画されている。

終わりに

以上、2010年度に委託を受けて実施した5件の調査研究について、その成果概要を報告した。
当センターでは、官公庁からの委託による調査研究のみならず、民間企業・団体の方々と連携し、企業・団体のニーズに対応した試験・評価方法を開発することで第三者試験機関として社会貢献を果たしていきたいと考えている。

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