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2013年度調査研究事業報告

コンテンツ

建材試験センターでは、官公庁や民間企業・団体などからの依頼を受け、政策の普及促進、国内外の標準化活動、技術開発を支援する試験・評価方法の開発等を目的とした調査研究を実施しています。

調査研究の課題はその時々の社会ニーズに沿ったものが多く、近年では省エネルギー、資源の有効活用、地球温暖化対策、居住環境の安全・安心といった課題を中心に、試験・評価方法の開発を進めています。

ここでは、2013度に委託を受けて実施した6件の調査研究について、その成果概要を報告します。また、当センターの自主事業として開催したセミナー「窯業系サイディングを用いた住宅外装部の長期耐久設計・施工指針(案)に関する説明会」についても併せて報告します。

1.揮発性有機化合物検知器の評価法に関する標準化

(1)背景・概要

(株)三菱総合研究所からの委託事業として、(独)産業技術総合研究所との共同で揮発性有機化合物(VOC)の簡易検知器(VOC検知器:下図参照)の客観的評価法の確立に向けて国際規格原案の審議を行った。

対象となるVOC検知器の例

対象となるVOC検知器の例


(2)成果

VOC検知器の評価方法の標準化を行うに当たり、当センターは委員会活動を担当した。

委員会活動として、2012年度までに検討されたDIS(国際規格案)を基に、規格原案の審議を行った。

当該規格原案は、ISO/TC146(Air quality:大気の質)/SC6(Indoor air:室内空気)/WG16(Test methods for VOC detectors:VOC 検知器の試験方法)で審議されており、同SCの国内委員会(事務局:建材試験センター)の下に検討委員会を設置して、規格原案の審議を行った。

2013年9月に開催されたISO/TC146/SC6/WG16国際会議では、関係者に規格原案の説明がなされた。審議の結果、FDIS(最終国際規格案)登録に向けて、さらに追加修正等を行うことが決議され、ドラフトの改訂作業を行った。

事業終了後に行われたFDIS投票(投票期間は、2014年2月5日から4月5日まで)において規格案は承認され、2014年5月20日に国際規格として、ISO 16000-29 (Indoor air -- Part 29: Test methods for VOC detectorsが発行された。

2. 低熱伝導率材料の熱伝導率測定方法の標準化

(1)概要

(株)三菱総合研究所からの委託事業として「低熱伝導率材料の熱伝導率測定方法の標準化」の調査研究事業を3ヵ年にわたり行った。本事業では、低熱伝導率材料の測定方法の標準化の整備に向けて、JIS A 1412-1(熱絶縁材の熱抵抗及び熱伝導率の測定方法-第1部:保護熱板法(GHP法))の改正原案等を取りまとめた。

(2)成果

昨年度は、3カ年計画の最終年度として低熱伝導率材料(真空断熱材)の熱伝導率あるいは熱抵抗を、従来の断熱材と同程度の精度で測定できる標準的な方法について検討・開発を行った。審議の結果、JIS A 1412-1に以下の2つの附属書を追加することとした。

1)「附属書JA(規定) 誤差評価及び装置の設計」

JIS A 1412-1の対応国際規格であるISO 8302(Thermal insulation -- Determination of steady-state thermal resistance and related properties -- Guarded hot plate apparatus)の「2.2Evaluation of errors」を附属書として追加した。追加に当たっては、ISO 8302では誤差評価として「系統誤差」と「偶然誤差」が混在していたため、それぞれを区別して記述を行った。

2)「附属書JB(参考) 真空断熱材の熱抵抗及び熱伝導率の測定方法」

低熱伝導率材料(真空断熱材)は芯材、被覆材など、複数の構成部材により形成されている。従来の断熱材は均質な単一の材料であり、大きく性質が異なる部分である。真空断熱材は、今後、さらに開発が進む可能性も高く、現時点で真空断熱材と従来の断熱材の両方の測定方法を本文に合わせて記述することは困難であると判断した。このため、真空断熱材に関する測定方法は附属書(参考)という形で追加した。
 

3.業務用厨房における換気設計手法の確立に向けた検討業務 

(1)事業概要

現在、業務用厨房における換気設計基準は整備されておらず、厨房内での諸条件を考慮した最適な設計がなされているとはいえない。熱源や調理機器の特性、フードの種類、調理負荷などを考慮した設計を行うことで、厨房内の快適性や省エネ性を向上させることが可能である。

(2)成果

本業務では、第1ステップとして2012年度より排気フードの捕集率測定方法を作成する為の調査・検討を行った。これは、対象としている中規模社員食堂の厨房環境全般について調査・整理を行い、人体擾乱(じょうらん)、空調擾乱がある条件下での排気フードの捕集率に関する測定方法を規格としてまとめたものである。その成果として「業務用厨房に設置される排気フードの捕集率測定方法(案)」を作成した。この規格は、2014年度中に建材試験センター規格(JSTM)として制定することを予定している。

(3)2014年度の実施計画

2014年度は、この測定方法を用いて複数の実験施設でのラウンドロビン試験を実施する計画である。まずは主要パターンの捕集率データの取得を行い、得られたデータを用いて厨房全体の必要換気量を算出する方法の検討を行う。

4.室内空気関係の用語等統一化に関するJIS開発

(1)事業概要

本事業は、(一財)日本規格協会からの委託事業として実施したものである。当センターが事務局となり委員会を組織して、室内空気関係の用語等の統一をしたJIS原案を作成した。


(2)成果

建材等からの放散測定に関するJIS及び室内空気測定のJISは、これまで23規格が制定されている(下表参照)。2012年度までの調査研究の結果、これらのJIS内及びISO規格との間で、用語及び定義、記号などが、必ずしも統一されていないことが明らかとなった。本事業では、これらの用語等の統一化に関する審議を行い、その結果に基づき、用語等の統一を行った23件のJIS原案を作成した。なお、用語は、第一に、国内の各種法規における使用例に極力整合させることとし、その次にISO規格との整合を配慮するという方針で統一した。また、記号は、基本的にISO規格と整合させる方針で統一を行った。

規格番号・発行年 規格名称
JIS A 1460:2001 建築用ボード類のホルムアルデヒド放散量の試験方法―デシケーター法
JIS A 1901:2009 建築材料の揮発性有機化合物(VOC)、ホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物放散測定方法―小形チャンバー法
JIS A 1902-1:2006 建築材料の揮発性有機化合物(VOC)、ホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物放散量測定におけるサンプル採取、試験片作製及び試験条件―第1部:ボード類、壁紙及び床材
JIS A 1902-2:2006 建築材料の揮発性有機化合物(VOC)、ホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物放散量測定におけるサンプル採取、試験片作製及び試験条件―第2部:接着剤
JIS A 1902-3:2006 建築材料の揮発性有機化合物(VOC)、ホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物放散量測定におけるサンプル採取、試験片作製及び試験条件―第3部:塗料及び建築用仕上塗材
JIS A 1902-4:2006 建築材料の揮発性有機化合物(VOC)、ホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物放散量測定におけるサンプル採取、試験片作製及び試験条件―第4部:断熱材
JIS A 1903:2008 建築材料の揮発性有機化合物(VOC)のフラックス発生量測定法―パッシブ法
JIS A 1904:2008 建築材料の準揮発性有機化合物(SVOC)の放散測定方法―マイクロチャンバー法
JIS A 1905-1:2007 小形チャンバー法による室内空気汚染濃度低減材の低減性能試験法―第1部:一定ホルムアルデヒド濃度供給法による吸着速度測定
JIS A 1905-2:2007 小形チャンバー法による室内空気汚染濃度低減材の低減性能試験法―第2部:ホルムアルデヒド放散建材を用いた吸着速度測定
JIS A 1906:2008 小形チャンバー法による室内空気汚染濃度低減材の低減性能試験法―一定揮発性有機化合物(VOC)、及びホルムアルデヒドを除く他のカルボニル化合物濃度供給法による吸着速度測定
JIS A 1911:2006 建築材料などからのホルムアルデヒド放散測定方法―大形チャンバー法
JIS A 1912:2008 建築材料などからの揮発性有機化合物(VOC)、及びホルムアルデヒドを除く他のカルボニル化合物放散測定方法―大形チャンバー法
JIS A 1960:2005 室内空気のサンプリング方法通則
JIS A 1961:2005 室内空気中のホルムアルデヒドのサンプリング方法
JIS A 1962:2005 室内空気中のホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物の定量―ポンプサンプリング
JIS A 1963:2005 室内空気中のホルムアルデヒドの定量―パッシブサンプリング
JIS A 1964:2005 室内空気中の揮発性有機化合物(VOC)の測定方法通則
JIS A 1965:2007 室内及び放散試験チャンバー内空気中揮発性有機化合物のTenaxTA(R)吸着剤を用いたポンプサンプリング、加熱脱離及びMS/FIDを用いたガスクロマトグラフィーによる定量
JIS A 1966:2005 室内空気中の揮発性有機化合物(VOC)の吸着捕集/加熱脱離/キャピラリーガスクロマトグラフ法によるサンプリング及び分析―ポンプサンプリング
JIS A 1967:2005 室内空気中の揮発性有機化合物(VOC)の吸着捕集/加熱脱離/キャピラリーガスクロマトグラフ法によるサンプリング及び分析―パッシブサンプリング
JIS A 1968:2005 室内空気中の揮発性有機化合物(VOC)の吸着捕集/溶媒抽出/キャピラリーガスクロマトグラフ法によるサンプリング及び分析―ポンプサンプリング
JIS A 1969:2005 室内空気中の揮発性有機化合物(VOC)の吸着捕集/溶媒抽出/キャピラリーガスクロマトグラフ法によるサンプリング及び分析―パッシブサンプリング 

 

5. 天井脱落対策の技術基準解説書作成に係る試験・評価等業務

(1)概要

本事業は、(一社)建築性能基準推進協会からの委託事業として実施したものである。
東日本大震災の被害を踏まえて、建築物における天井脱落対策に係る技術基準が公布された。この中で天井対策は、構造耐力上安全なものとして国土交通大臣が定めた構造方法または国土交通大臣の認定を受けたものを用いることとされた。本事業は、天井部材等の耐力・剛性の試験・評価について、横並びで試験を実施し、評価法を確立するための各種試験データの収集・整理を目的として行った。

 

(2)成果

一般的な大規模天井は、鋼製の天井下地材(在来・システム)、吊りボルト、斜め補強部材、これらを接合するクリップ、ハンガ等の接合金物、天井面を構成するボードで構成されている。これらの天井に地震力が作用したとき、天井に生じる水平力は、斜め部材、斜め部材端部の接合部、斜め部材端部接合部周辺の下地材の接合部に流れて、ぞれぞれの部位で負担することとなる。これらを踏まえて、接合部(クリップ接合部、ハンガ接合部、斜め部材上・下端接合部)及び天井ユニットの試験を行った。なお、試験体数は原則として、一方向載荷試験を3体とし、非対称となる接合部については正負それぞれを行うこととし、また、天井ユニットの試験体に用いた接合部(斜め部材が取り付く周辺部)及び斜め部材上・下端部接合部については一方向載荷試験の他に正負繰返し載荷試験を1体行った。
本試験データを基に、「建築物における天井脱落対策に係る技術基準の解説 第Ⅱ編 天井及びその部材・接合部の耐力・剛性の設定方法」が作成された。

6.ベトナムにおける建設解体廃棄物のリサイクル資材の規格作成支援業務

(1)概要

本事業は、民間企業である(株)市川環境エンジニアリングからの委託業務として実施したものである。

本事業は、委託者である同社が環境省の平成25年度我が国循環産業海外展開事業化促進業務「ベトナム社会主義共和国におけるD-waste(建設解体廃棄物)の循環システム構築・展開事業」として実施した事業の一部である「基準・制度づくり」の業務について、当センターが事務局となり委員会を組織して調査研究を実施したものである。

主な調査項目は、①現地調査、②建設廃棄物リサイクル方法の検討、③規格・基準/制度の作成、④ワークショップの開催などである。
 

(2)成果と今後の課題

①現地調査

現地カウンターパート企業との協議、ベトナムの試験研究所(Vietnam Institute for Building Materials : VIBM)及び基準関連機関との協議、建設解体現場の視察、建造物の視察、建設廃棄物リサイクルパイロットプラント施設の視察、建材工場の視察、ゼネコン及び現場訪問、関係大学機関への訪問などを実施した。

②建設廃棄物リサイクル方法の検討

非焼成レンガの製造、路盤材としての活用などについて調査、実験検討を行った。

③規格・基準/制度作成

ベトナムの規格であるTCVN(推奨規格)、QCVN(強制規格)などの調査するとともに規格の申請方法などについて、ベトナム規格品質協会(Vietnam Standard and Quality Institute : VSQI)にヒアリングを行った。リサイクル品を市場に流通させるための規格・基準づくりや制度づくりについては、検討対象をサポートする必要があり、学識者等による委員会組織で原案の検討を進め、現地政府機関に提案する必要性が明らかとなった。また、制度等の仕組みづくりにおける課題も抽出され、日本の技術や制度を現地で運用できるように工夫することが今後の課題として提示された。

④ワークショップの開催

現地関係者に対して、建設解体廃棄物リサイクルに関する情報の共有及び建設リサイクル資材の普及に関する提言を行うことを目的としてワークショップを開催し日本とベトナムの学識者等が講演を行った。

ベトナム・ハノイにおけるワークショップの状況1 ベトナム・ハノイにおけるワークショップの状況2

 ベトナム・ハノイにおけるワークショップの状況

7.JTCCMセミナー「窯業系サイディングを用いた住宅外壁の長期耐久性設計・施工指針(案)」説明会

長期優良住宅の整備基盤強化、住宅の長寿命化の技術の進展に寄与することを目的として作成された「窯業系サイディングを用いた住宅外壁の長期耐久性設計・施工指針(案)」 に関する説明会を2013年7月31(水)に日本橋社会教育会館8階ホールにて開催した。

同指針(案)は、2008年度から5ヵ年計画で当センターが委託事業として実施してきた、住宅外装部の長期耐久性評価などに関する調査研究の成果を基に取りまとめたものである。

説明会には、建材メーカーやハウスメーカー等から89名の方にご参加頂いた。参加者より、今後の継続実験の経過報告に関する要望を多く頂いた。現在、日本窯業外装材協会と複数の大学の研究室で継続実験を実施しており、今後の進捗報告が望まれる。

>>建材試験情報--建材試験センターニュース (2013年9月号)

>>過去に開催したシンポジウム・セミナー 情報

終わりに

以上、2013年度に委託を受けて実施した6件の調査研究および1件の自主事業(説明会)について、その成果概要を報告しました。
当センターでは、建築・土木分野の技術開発を支援する調査研究を行っています。また、調査研究の成果を基にした講演会などを通して最新の技術情報を提供しています。

これらの事業を通し、社会基盤の整備に向けて取り組んでいきたいと考えております。


調査研究、個別団体規格・基準の作成などに関するお問い合わせがございましたら、是非ご連絡ください


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