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鉄筋・継手・鋼材

概要

わが国における土木・建築構造物の多くに、鉄筋コンクリート造(RC造)が使われており、文字通りコンクリートと鉄筋から構成されています。
コンクリートは圧縮力に対して強く、引張力に対して弱い(およそ圧縮力の1/10程度)材料となります。一方、鉄筋は引張力に強く延性のある素晴らしい材料ですが、圧縮力に弱く、大気中では錆びるといった性質もあります。型枠の中に鉄筋を適切に配置し、コンクリートを流し一体化する事で鉄筋コンクリートとなり、お互いの弱点を補いあうことが可能となり圧縮力、引張力、せん断に強く耐震性に優れた構造物となります。
鉄筋コンクリート用棒鋼の種類は、断面が円形である丸鋼とコンクリートとの付着を高めるために表面に突起がついた異形棒鋼があります。現在はコンクリートとの付着力が高い異形棒鋼が主に鉄筋コンクリートに使用されています。

鉄筋は、形状・寸法が規格化された工場製品であり、定尺物(所定の長さの製品)として建設現場に搬入されます。従って、建設現場での加工や継手(長さを増すための2材の接合)が必要不可欠となります。
鉄筋の性能は、母材(鉄筋自体)の品質に左右されますが、継手部分の性能も構造物の構造安全性に大きな影響を及ぼします。また、同じ継手でも作業条件などにより、その性能は大きく異なります。

鋼板は鉄骨造や耐震補強などに使われます。コンクリートと異なり、鉄骨単体で構造が成り立ちます。こちらも製品規格として多種類があります。その他にも非鉄金属も多数あります。

特徴

鉄筋コンクリート用棒鋼の物理的性質及び機械的性質は構造物を設計施工し、構造物の安全性を評価する上で重要な指標となります。日本において流通している鉄筋コンクリート用棒鋼は、ほぼJIS規格品であり、要求性能については日本産業規格(JIS)による規格「JIS G 3112鉄筋コンクリート用棒鋼」を満足している必要があります。
引張強さ試験を行うことで降伏点、引張強さ、伸びを確認する事ができます。一般的に構造物にかかる引張力は降伏点以下になるように設計されます。降伏点がみられないものは0.2%オフセット法などによる耐力で評価します。
曲げ試験では曲げがかかる事によって破断の有無を確認する事ができます。鉄筋は、曲げた際破断しないことが求められます。これは、構造物の曲げに対する抵抗力及び施工時の曲げ加工で破断しない事が求められるためです。
鉄筋継手の場合は、単体と同等の性能があり、継手部で破断しないことなどが、求められます。主に引張試験を行いますが、施工前試験では曲げ試験を行うことがあるほか、フレア溶接等ではマクロ試験を行います。
鋼板においては製品規格や試験片形状が異なりますが、基本的には同様です。

主な試験の紹介

規格名称(JIS等)や関連規格、仕様書等について

引張試験や曲げ試験は以下のJISに方法が定められています。必要に応じて、ひずみゲージを用いてヤング係数(弾性係数)を算出することもあります。

JIS G 3112 鉄筋コンクリート用棒鋼
JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材
JIS Z 2241 金属材料引張試験方法
JIS Z 2248 金属材料曲げ試験方法
JIS Z 3120 鉄筋コンクリート用棒鋼ガス圧接継手の試験方法 及び判定基準
JIS Z 3121 突合せ溶接継手の引張試験方法 など

鉄筋の品質試験

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1.ガス圧接継手の引張試験状況
1.ガス圧接継手の引張試験状況
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2.機械式継手の引張試験状況
2.機械式継手の引張試験状況
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3.曲げ試験状況
3.曲げ試験状況

1.万能試験機を用いてガス圧接を引っ張ります。ガス圧接の抜き取り試験が鉄筋関係の依頼では最も多い試験です。
2.機械式継手にも様々な種類がありますが、太径や長尺の試験片も試験可能です。
3.曲げ試験は生材が多いですが、溶接継手や圧接継手の施工前試験でも行うことがあります。各径毎の治具を用意しています。

お申し込みから試験実施までのフロー

  1. お問い合わせ

    ホームページまたはお電話にてお気軽にお問い合わせください。

  2. 事前打ち合わせ・お見積りの提示

    試験料金は料金表をご参照下さい。お見積りが必要な場合は各試験室より発行します。

  3. 試験のお申し込み

    工事用材料試験業務約款にご同意の上、申込書に必要事項をご記入後、申込書と供試体(試料)をお送りください。

  4. 請求書の発行

    試験実施月の月末にまとめて請求書を発行します(翌月初旬発送)ので、原則60日以内にお支払い下さい。新規お取引又は直近3年間でお取引がない場合は前入金となります。

  5. 試験の実施

    試験を実施します。
    試験立ち会いが 必要な場合は申込時に希望日時をお伝え下さい。

  6. 試験結果報告

    試験終了後、報告書を作成し送付します。

報告書例

よくある質問

どの試験室で実施していますか?

浦和、武蔵府中、船橋、横浜、福岡、全試験室対応しています。(鋼種や径によって一部非対応)

試験立会は可能ですか?

可能です。

ただし予めご予約下さい。Web立合も可能です。

供試体は郵送でも可能でしょうか?

可能です。

ただし、破損しないように緩衝材でくるむなどの処置をお願いします。

整形及び加工は行ってもらえますか?

鉄筋の切断加工は当センターで可能です(有料)。

試験片のダンベル加工は当方手配の加工業者で対応可能です。

素材(生材)の試験に必要な試験片の長さは?

素材の試験片長さは以下をご参考にご確認ください(単位mm)。

試験機の許容長さをこえる場合は別途切断代を頂きます。なお、横浜試験室は別途ご確認お願いします。

呼称 引張 曲げ 単位質量
D10 600
D13
D16
D19
D22
D25
D29
D32 700
D35
D38
D41 750
D51 900 800 900

試験片採取に注意事項はありますか?

引張および単位質量の試験片は、ロールマークを避けて下さい。

曲げ試験は全て対応できますか?

D51のSD490は浦和試験室、武蔵野府中試験のみ対応可能です。

高強度SD685やSD785は試験不可能です。

降伏点がでないものは試験できますか?

ひずみゲージを貼り付けて耐力を算出します。

ひずみはどの程度測定できますか?

10000μ程度は一般ひずみゲージで測定可能です。

それ以上はオプションとなりますが、塑性ひずみゲージを用いて測定は可能です。

鋼板のダンベル試験片寸法を教えてください。

予想荷重100kN以下であれば、つかみ部長さを100mm、100kN以上はつかみ部長さを140mmとしてください。

形状はJIS Z 2241や各鋼材製品JISを参照してください。

鋼管の試験片は引っ張れますか?

芯材を入れるか、ダンベル加工して試験可能です。(加工は有料)

ガス圧接接手の試験体長さを教えてください。

試験体長さは以下をご参考にご確認ください(単位mm)。

呼称 引張 曲げ
D10 600
D13
D16
D19
D22
D25
D29
D32 700
D35
D38
D41 750
D51 900 800

エンクローズ溶接接手の試験体長さを教えてください。

試験体長さは以下をご参考にご確認ください(単位mm)。

呼称 引張
D10 600
D13
D16
D19
D22
D25
D29
D32 700
D35
D38
D41 750
D51 900

フレア溶接接手の試験体長さを教えてください。

試験体長さは以下をご参考にご確認ください(単位mm)。

呼称 引張
D10 800
D13
D16 800
D19
D22
D25
D29
D32 1100
D35
D38 対応不可
D41
D51

また、船橋試験室を除き対応可能な全長は試験室によって異なるためご相談ください

機械式接手の試験体長さを教えてください。

試験体長さは以下をご参考にご確認ください(単位mm)。

呼称 引張
D10 250+カプラ+250
D13 280+カプラ+280
D16 310+カプラ+310
D19 340+カプラ+340
D22 420+カプラ+420
D25 350+カプラ+350
D29 440+カプラ+440
D32 460+カプラ+460
D35 480+カプラ+480
D38 510+カプラ+510
D41 530+カプラ+530
D51 610+カプラ+610

上記の寸法は主に当センターにご依頼いただいた事のある、代表的な長さになります。
試験に必要な鉄筋の長さは継手メーカー様によって異なるため、メーカー様にご確認ください。
当センター所有の試験機のつかみしろはD25までは片側150mm、D29以上は片側200mmとなります。
試験片の長さに指定がある場合、つかみしろを考慮頂き作成してください。
また、船橋試験室を除き対応可能な全長は試験室によって異なるためあらかじめご相談ください。

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お見積り・お申し込み

お申込みは、こちらのフォームからお願いいたします。

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武蔵府中試験室

〒183-0035 東京都府中市四谷6-31-10

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FAX:042-351-7118

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    (ちゅうバスをご利用の場合)四谷六丁目ルート・四谷六丁目で下車し徒歩2分
    (京王バスをご利用の場合)都営泉2丁目行きバス四谷泉で下車し徒歩1分

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  • 東急東横線綱島駅より新横浜駅行き、新羽駅行き、新羽営業所行きバス約15分、貝塚中町で下車し徒歩約2分。

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福岡試験室

〒811-2115 福岡県糟屋郡須恵町大字佐谷926番地

TEL:092-934-4222
FAX:092-934-4230

アクセス

【九州自動車道利用】
  • 須恵スマートICから県道91号線を東に向かい約10分
  • 大宰府ICから国道3号線を空港方面に向かい、御笠川交差点を右折し県道60号線を直進約15分
【福岡空港から】
  • ユニバ通りを経由して、県道91号線を東に向かい約30分

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